「電気設備の絶縁抵抗測定を自分たちで行うのは手間がかかる」
「漏電のリスクを24時間体制で防ぐ方法が知りたい」
こうした悩みを抱えている方もいるでしょう。
電気設備を安全に運用するためには、定期的な絶縁抵抗測定が欠かせません。測定作業を怠れば、感電や火災といった重大な事故を引き起こすおそれがあります。
しかし、人の手による点検だけでは、測定をしていない期間の劣化や不意なトラブルを全て見抜くことは困難です。
本記事では、絶縁抵抗測定の基本的なやり方や基準値、安全に進めるための注意点を詳しく解説します。
なお、確実な安全管理を実現し、測定の負担を減らしながら漏電を未然に防ぎたいなら、絶縁監視装置の設置が効果的です。常時監視の体制を整えて設備の安全を守りたい方は「プロトラッド」にご相談ください。
絶縁抵抗測定とは?

絶縁抵抗測定は、電気設備の導体と大地、または導体同士の間にある絶縁状態を数値で確認する検査です。数値を把握することで、目視では判断できない劣化や異常を早期に捉えられます。
絶縁性能が低下すると、漏電や感電、火災といった事故につながるおそれがあります。定期的に測定を行い、異常を見逃さない管理が安全確保には欠かせません。
建築設備や工場設備の保守点検では、基本的な電気測定として広く実施されており、設備を安定して使い続けるための重要な確認作業とされています。長期的な設備管理においても重要な役割を担います。
絶縁抵抗測定の基準値

絶縁抵抗測定では、測定値が法令で定められた基準を満たしているかの確認が必要です。低圧電路の基準値は一律ではなく、使用電圧や対地電圧の区分に応じて0.1MΩ、0.2MΩ、0.4MΩ以上と定められています。
機器の種類や設置環境によっては、より高い絶縁性能が求められる場合もあります。測定値が基準を下回った場合は、絶縁劣化や汚損が疑われるため、原因を確認し、適切な補修や交換が必要です。
絶縁性能は時間の経過や使用環境の影響を受けて低下していくため、測定結果が基準値に近い場合は、劣化が進行している段階にあると判断しても問題ないでしょう。
法令で示されている数値はあくまで下限の目安であるため、基準を割り込む前に点検や補修を行い、余裕を持った管理を心がけることが重要です。
絶縁抵抗計の種類

絶縁抵抗計には、用途や管理方法に応じて複数の種類があります。
現場での状態把握を重視する場合は、指針の動きから変化を確認できるアナログ式が適しています。一方、数値を正確に記録したい場面では、表示が明確で再現性に優れるデジタル式が有効です。
また、測定対象に合わせて測定電圧を選ぶことも重要です。250Vや500V、1000Vなどのタイプがあり、設備の使用電圧や点検目的に応じた選定が求められます。適切な機種を使い分けることで、測定の精度と安全性を高めましょう。
絶縁抵抗測定のやり方【4STEP】

絶縁抵抗測定を正しく進めるためには、事前の準備から記録までを手順通りに行う必要があります。絶縁抵抗測定の基本的なやり方を以下の4つのステップで紹介します。
1.絶縁抵抗計のバッテリーチェック
2.絶縁抵抗計のゼロ確認
3.測定対象の確認
4.測定開始・記録
各工程を詳しくみていきましょう。
- 絶縁抵抗計のバッテリーチェック
測定を始める前に、必ず絶縁抵抗計の電池残量を確認してください。電池が不足していると、測定中に必要な電圧を出せなくなり、正しい結果を得られなくなる恐れがあります。
表示の異常や動作の不具合がないかを事前に確かめる作業は、安定した測定結果を得るために欠かせません。バッテリーチェックボタンを押して、指針や表示が規定の範囲内にあるかを注視しましょう。
電池の消耗は急激な測定ミスを招くため、予備の電池を用意しておくことも重要です。
- 絶縁抵抗計のゼロ確認
測定リードと呼ばれるコードの先端を接触させて、メーターが正しい「0」を指すかを確かめましょう。アナログ式であれば針が0付近を指し、デジタル式であれば極めて低い数値を示すかを確認してください。
ゼロ確認を行う理由は、絶縁抵抗計本体やリード線に断線などの異常がないかを事前に把握するためです。もしリード線を短絡させても数値が動かない場合は、故障の可能性があります。
絶縁抵抗測定で正確な数値を導き出すためには、ゼロ確認が欠かせません。信頼できるデータを得るために、絶縁抵抗計のゼロ確認は必ず行ってください。
- 測定対象の確認
測定を行う電気設備が、確実に停電している状態であることを検電器などで確認しましょう。電気が流れたまま絶縁抵抗測定を行うと、計器の破損や重大な感電事故を招く危険があります。
また、回路に繋がっている電子機器や精密機器は、高い電圧に耐えられず壊れるおそれがあるため、事前に切り離しておきましょう。機器の故障を防ぐための切り離し作業は、安全な測定を実施するために必須の工程です。
測定対象の周囲に他人が近づかないよう、立ち入りの制限も忘れずに行いましょう。
- 測定開始・記録
絶縁抵抗計の端子を正しい位置に接続し、測定電圧を印加して数値を読み取ります。表示された数値が安定した時点の数字を、測定結果としてノートやタブレットに記録しましょう。
記録を残す際は、測定した日時や天候、周囲の温度などの条件も併せて書き記すことが大切です。後から過去のデータと比較して、劣化の進行具合を分析する際に役立ちます。
将来的な管理を見据えて、誰が見てもわかる形式で数値を保存しておく工夫も必要です。一連の動作が終わったあとは、後片付けを行い、設備を元の状態に正しく戻しましょう。
絶縁抵抗測定時の5つの注意点

絶縁抵抗測定は高い電圧を扱うため、安全と正確性の両面で細心の注意を払う必要があります。特に意識すべき5つのポイントは以下の通りです。
- 測定部分の清掃を行う
- 絶縁保護具を着用する
- 停電状態を確認する
- 適切なレンジの絶縁抵抗計を使用する
- 測定後に放電する
各注意点を詳しく説明していきましょう。
- 測定部分の清掃を行う
測定前に端子部や周辺の清掃は、正確な絶縁抵抗値を得るために重要です。汚れや湿気が付着した状態では、実際より低い数値が表示され、劣化と誤認するおそれがあります。
清掃を行えば、表面漏れの影響を抑え、測定対象本来の絶縁状態を確認できます。測定の信頼性を高めるためにも、毎回の測定前に清掃を習慣化しましょう。
簡単な作業でも測定結果に与える影響は大きく、点検品質の差につながります。測定精度を確保する基本作業として位置付ける必要があります。作業前の確認として徹底したい項目です。
- 絶縁保護具を着用する
絶縁抵抗測定を行う際は、作業者の安全を最優先に考え、絶縁手袋や適切な保護具を着用してください。
回路を遮断していても、残留電圧が残っている場合があり、直接触れると感電事故につながるおそれがあります。保護具を装着すれば、不測の通電や測定ミスが起きた場合でも被害を抑えられます。
安全対策を徹底した状態で作業を行うことで、安心して測定に集中でき、安定した点検品質の維持にもつながるでしょう。

- 停電状態を確認する
通電したままで絶縁抵抗計を接続する行為は、爆発や感電などの重大な事故に直結するため、確実に停電を確認してください。スイッチを切ったつもりでも、他の回路から電気が回り込んでいるケースがあります。
検電器を使用し、電気が完全に遮断されている事実を物理的に確かめる工程は省略してはいけません。安全性はもちろんのこと、計器への過電圧による故障を防ぐ観点からも不可欠な作業です。
指差確認でのチェックも取り入れて、確実に停電しているかどうかを確認して、作業にあたってください。
- 適切なレンジの絶縁抵抗計を使用する
測定対象に合ったレンジの絶縁抵抗計を使用することは、正確な測定を行う上で重要です。電圧区分に応じて250Vや500V、1000Vなど適切な測定電圧を選ばなければ、実際の絶縁状態を正しく把握できません。
不適切なレンジで測定すると、数値が不安定になったり、本来の性能より低く表示されたりする可能性があります。誤った判断につながれば、不要な補修や見落としを招くおそれもあります。
また、測定電圧が合っていない場合は、機器に余計な負荷を与え、故障を引き起こしかねません。安全性と測定精度の両立するためにも、対象設備の条件を確認した上で、絶縁抵抗計を選定しましょう。
- 測定後に放電する
測定後に放電処理を行うことは、作業者の安全を守るために欠かせません。絶縁抵抗測定を実施した回路には電荷が残る場合があり、触れることで感電事故につながるおそれがあります。測定が終わった時点で放電を行い、危険要因を確実に取り除く必要があります。
放電処理を徹底すれば、次の作業工程や復電作業を安全に進めることが可能です。万が一の事故を防ぐためにも、測定後の放電を作業手順の一部として定着させましょう。
絶縁抵抗測定に関するよくある質問

絶縁抵抗測定を進める中で、多くの人が疑問に思うポイントを整理しました。より詳しく知りたい方は参考にしてください。
- 測定頻度はどの程度が適切ですか?
絶縁抵抗測定の頻度については、設備の安全性を維持するため計画的に実施することが重要です。一般的には年1回以上の定期測定が行われることが多く、法令点検や保守管理の基本として位置付けられています。
ただし、設備区分や管理形態によって適切な頻度は異なります。高温多湿な場所や粉じんが多い環境では、劣化が進みやすいため測定の頻度を高めたほうが良いでしょう。
設備保全計画に基づき、使用環境や過去の測定結果を踏まえて頻度を設定すれば、異常の早期発見につながります。
- 基準値未満の場合はどう対処すべきですか?
測定結果が基準値を下回った場合は、早急な対応が必要です。まずは回路や端子周辺の清掃や乾燥を行い、外的要因の影響を取り除いたうえで再度測定を実施しましょう。
再測定でも数値が改善しない場合は、配線や機器内部の劣化が進行している可能性があります。安全性を確保するため、該当部位の交換や補修を検討してください。
基準値を下回った原因の特定が難しい場合や影響範囲が広い場合は、専門業者による詳細点検を依頼しましょう。専門家による適切な対処によって、事故リスクを抑えた設備管理を実現できます。
- 漏電やトラブルなどを早期発見するにはどうすれば良いですか?
漏電や設備トラブルを早期に発見するためには、定期的な絶縁抵抗測定を継続しての実施が重要です。測定を継続して結果を記録し、数値の推移や変化を確認することで、漏電やトラブルなどの異常に気付きやすくなります。
また、自社での定期的な対応が難しい場合は専門業者への依頼もおすすめです。加えて、常時監視が可能な絶縁監視装置を導入すれば、測定間隔に左右されず異常を把握できます。継続的な管理体制を整えることで、事故リスクの低減につながります。
絶縁抵抗を安全かつ高精度で常時監視できる絶縁監視装置の設置がおすすめ

絶縁監視装置を設置すれば、設備を停止させることなく絶縁状態を常時確認でき、異常の早期発見につながります。人の手による絶縁抵抗測定では、測定していない期間の劣化や漏電の兆候を把握できない点に注意が必要です。
常時監視装置を導入すると、点検の空白期間が生じず、漏電のリスクを継続的に管理できます。通常の絶縁抵抗測定を補完する役割を果たし、安全性の向上と保全業務の効率化を同時に実現可能です。
非常用発電機や予備電源設備のように、平常時は系統から切り離されている設備でも絶縁劣化は進行します。異常に気付かないまま非常時を迎えるリスクを避けるためにも、常時監視体制の構築が重要です。
絶縁監視装置が動く仕組みや導入によって得られるメリットの詳細はこちらのページで解説しているので、ぜひ参考にしてください。
関連記事:絶縁監視装置とは
絶縁監視装置の設置は「プロトラッド」にご相談ください

絶縁抵抗測定は、電気設備の異常を早期に把握し、感電や火災といった事故を防ぐために重要な点検作業です。
正しい手順と注意点を守って実施することで一定の安全性は確保できますが、測定を行っていない期間の劣化や突発的な異常まで把握するのは容易ではありません。継続的かつ確実な安全管理を行うためには、絶縁監視装置の導入が有効です。
絶縁監視装置を設置すれば、電気設備の状態を常時監視でき、点検作業の負担軽減や事故リスクの低減につながります。信頼性の高いBender社の製品を活用することで、複雑な設備環境でも安定した監視体制を構築できます。
自社設備に適した監視方法を検討したい方や、製品選定について相談したい方は、株式会社プロトラッドへお問い合わせください。専門スタッフが、現場に合った最適な安全対策を提案します。