「電気設備の絶縁不良がなぜ発生するのか原因を把握したい」
「絶縁不良による感電や火災を防ぐための具体的な対処法を知りたい」
こうした不安や疑問を感じている方もいるでしょう。
電気設備を安全に使用し続けるためには、絶縁不良の原因を正しく理解し、早期に対策を講じることが欠かせません。対応が遅れると、感電事故や火災など重大なトラブルにつながるおそれがあります。
しかし、日常点検を行っていても、人の目だけでは経年劣化や突発的な異常をすべて把握するのは難しいのが実情です。
本記事では、絶縁不良が起きる主な原因や発生時のリスク、確認方法と具体的な対処法について分かりやすく解説します。
なお、より高い安全性を確保し、異常を早期に検知したい場合は、絶縁監視装置の導入が有効です。24時間体制で設備の状態を見守りたい方は「プロトラッド」へご相談ください。
絶縁不良の主な6つの原因

絶縁不良が起きる背景には、環境や時間の経過などさまざまな要素が関係しています。まずは代表的な要因を確認しましょう。
- 経年劣化
- 高い湿度
- 温度の変化
- 埃や汚れの付着
- 過電流
- 物理的な損傷
各原因を詳しく見ていきましょう。
- 経年劣化
電線やケーブルを覆っている絶縁材料は、長期間の使用によって少しずつ性質が変化していきます。ゴムやプラスチックなどの材料は、熱や光、さらには酸素の影響を絶えず受け続けているためです。
時間が経つにつれて材料が硬くなったり、表面に細かな亀裂が生じたりして、電気を閉じ込める力が弱まります。製造された当時の性能を維持できなくなると、微小な漏電が発生しやすい状態になるでしょう。
特に古い設備では、見た目には分からなくても内部で劣化が進んでいる可能性があるため、点検が必要になります。
- 高い湿度
湿気が多い環境では、絶縁材料の表面に目に見えないほどの小さな水滴が付着し、電気が外に漏れやすくなります。水は電気を通しやすい性質をもっているため、湿度が上がると絶縁抵抗が低下しやすいです。
特に屋外に設置された設備や、換気が不十分な地下室などの場所では、空気中の水分による影響を強く受けやすい傾向にあります。雨が続いた後や梅雨の時期などは、普段よりも漏電のリスクが高まることを意識しておきましょう。

- 温度の変化
周囲の温度が激しく変わる環境では、絶縁材料が膨張と収縮を繰り返し、少しずつダメージが蓄積されていきます。高温の状態が続くと絶縁材が柔らかくなり、反対に低温では硬くなってひび割れが生じやすいです。
特に夏場の直射日光が当たる場所や、熱を発する機器の近くでは、熱による劣化が加速する傾向にあります。設備を設置する場所の温度環境を改めて確認し、必要であれば遮光や冷却などの対策を講じましょう。
- 埃や汚れの付着
絶縁体の表面に埃や油分が溜まると、汚れを伝って電気が流れることで、絶縁抵抗が低下する可能性があります。一見すると電気を通さないように見える埃でも、湿気を吸うことで電気が流れる性質をもつようになります。
汚れが付着した場所では少しずつ電流が漏れ出し、その熱によってさらに絶縁材料が劣化を早める悪循環に陥る点に注意してください。工場などの油煙が舞う場所や、長期間掃除をしていない配電盤の中などは、特に汚れによるトラブルが起きやすいといえます。
定期的に掃除機で埃を取り除くことや、乾いた布で水気を拭いとることで、絶縁不良の防止につながります。
- 過電流
回路に許容範囲を超える大きな電流が流れると、導体や絶縁材が異常な熱を発して劣化を早めます。ブレーカーなどの保護装置が正しく働かなかったり、無理な電気の使い方を続けたりすると、熱によって皮膜が溶けるなどの不具合が生じやすいです。
一度でも激しい過熱を経験した絶縁材は、元の性能には戻らない変化を起こす場合があります。繰り返される過電流は絶縁破壊の直接的な要因となり、最終的には火花が出るような事故を招きかねません。
電気機器を増設する際は、契約アンペアや配線の容量を超えていないかを事前に計算し、負荷がかかりすぎないように対策しましょう。
- 物理的な損傷
工事の際や何かがぶつかった衝撃によって、絶縁材料の表面が削れたり破れたりする場合があります。電線を守っているカバーが傷つくと、中の金属部分が露出し、絶縁不良を起こしかねません。
見た目には小さな傷であっても、水分や埃が入り込むことで、絶縁不良は急速に悪化していきます。また、配線を無理に引っ張ったり、重いものを乗せて圧迫したりする行為も、内部の断線や損傷を招く原因です。
外観からは異常が見えなくても、壁の中や管の内部で損傷が進んでいるケースも考えられます。施工時やメンテナンス時にはケーブルを丁寧に扱い、傷が付かないよう細心の注意を払いましょう。
絶縁不良が引き起こす3つの問題

絶縁不良を放置すると、人命に関わる事故や多額の損害を招く恐れがあります。主な問題は以下の通りです。
- 感電事故
- 火災
- 設備故障
各問題の詳細を見ていきましょう。
- 感電事故
絶縁不良が起きると、本来は電気が流れていないはずの金属ケースや地面などに電圧が発生します。作業者や利用者がその場所に触れると、体を通して電気が地面へ逃げようとするため、感電事故が起こりかねません。
人体に流れる電流は、たとえわずかな量であっても心臓の動きを狂わせたり、筋肉を硬直させたりする非常に危険なものです。水に濡れた手で触れたり、湿った床の上に立っていたりする状況では、被害がより大きくなる可能性があるため、特に注意してください。
感電を防ぐためには、絶縁の状態を常に良好に保つとともに、アース線を正しく繋いでおく必要があります。利用者の命を守るためにも、絶縁不良が起きない環境を整えましょう。
- 火災
絶縁不良による漏電は、建物の構造材や周囲の燃えやすいものから出火し、火災を引き起こす原因になり得ます。
壁の内部や屋根裏などの目に見えない場所で発熱が始まった場合、火が出るまで異常に気づくのが難しく、発見が遅れやすいです。特に古い家屋や設備の老朽化が進んだ建物では、電気火災のリスクが高まっていると考えてください。
漏電ブレーカーが頻繁に落ちるなどの予兆がある場合は、すぐに原因を調査し、火災のリスクに対して早めに対処しましょう。
- 設備故障
絶縁不良が原因で回路の中に異常な電流が流れると、精密な電子機器や制御装置が誤作動を起こしたり、故障したりするおそれがあります。
絶縁不良による設備の故障で生産ラインが急に止まると、製品の作り直しや納期の遅れなど、会社にとって大きな損失が生じかねません。また、壊れた機器を修理したり買い替えたりするためのコストも、経営を圧迫する要因となります。
設備の停止による損失を防ぐためには、絶縁劣化を早期に見つけて対処する仕組みを整えておくことが大切です。
絶縁不良を確認する2つの方法

トラブルを未然に防ぐためには、現状を正しく把握するための確認方法を知っておく必要があります。
絶縁不良の確認方法は以下の2通りです。
- 絶縁抵抗を測定する
- 監視装置で確認する
各方法を詳しく解説します。
- 絶縁抵抗を測定する
絶縁抵抗計と呼ばれる専門の機器で絶縁抵抗を測定する方法です。表示された数値が基準よりも高ければ絶縁が良好であり、低ければ漏電の危険があると判断できます。
定期的に絶縁抵抗を測定することで、材料の劣化具合を客観的に把握し、適切なタイミングで補修を行えます。絶縁抵抗の測定を行う際は、感電を防ぐために必ず停電状態を確認し、安全な手順を厳守してください。
自身での測定が難しい場合は、専門の技術者に依頼して、正確な診断を受けることも重要です。測定結果を記録として残しておけば、将来のメンテナンス計画を立てる際にも役立つでしょう。
- 監視装置で確認する
常時監視型の絶縁監視装置を導入すれば、漏電や絶縁の低下をリアルタイムで検知できます。人の手による点検は一瞬の数値しか捉えられませんが、装置は24時間絶え間なく電気の状態を監視可能です。
点検と点検の間に起きた小さな変化や、手動での検査では見逃しやすいわずかな兆候も絶縁監視装置なら把握できます。特に、雨の日だけ発生するような一時的な漏電は、定期点検だけでは発見が難しいため、絶縁監視装置の設置が有効です。
設備が完全に止まってしまう前に異常のサインを察知できれば、大きなトラブルを未然に防げます。
絶縁監視装置の仕組みや設置のメリットはこちらのページで詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
関連記事:絶縁監視装置とは
絶縁不良が生じた際の4つの対処法

絶縁不良が見つかった場合は、被害を最小限に抑えるために素早い判断が必要です。異常を放置せず、状況に合わせた適切な処置を行いましょう。具体的な対処法は以下の通りです。
- 劣化部位を交換する
- 乾燥処理を行う
- 専門業者に対処を依頼する
- 絶縁不良を監視するツールやシステムを導入する
各対処法の詳細を説明していきましょう。
- 劣化部位を交換する
劣化や損傷が確認されたケーブルや部品は、速やかに新しいものへ交換してください。テープを巻くような部分的な補修で済ませず、安全性を優先した対応が重要です。
新しい部品に交換する際は、なぜそこが劣化したのかという原因の特定も必要です。原因がわからないまま交換しても、同じトラブルを繰り返す恐れがあります。部品の交換内容を記録し、定期点検の項目に反映させましょう。
- 乾燥処理を行う
湿気が原因で絶縁が低下している場合は、乾燥や換気によって環境を改善させます。水分を取り除くことで、一時的に絶縁性能を回復させられます。
ただし、乾燥処理はあくまで表面的な解決にすぎないケースが多いため、注意してください。再び湿気が溜まれば再発する可能性が高いため、恒久的な対策を練る必要があります。結露対策のヒーターを導入したり、防湿処理を施したりする工夫を組み合わせましょう。
- 専門業者に対処を依頼する
原因の特定が困難な場合や、大規模な修繕が必要な時は、専門知識をもつ業者に対応を依頼しましょう。プロの業者は、高度な測定機器や診断技術を用いて精度の高い調査を行えます。
目に見えない壁の内部や管の中にある不具合も、専門の道具を使えば確実に見つけ出すことが可能です。安全基準を満たした確実な是正が期待できるため、二次災害を防ぐ観点からも有効といえます。
- 絶縁不良を監視するツールやシステムを導入する
人員や時間が不足していて設備保全が難しい場合は、監視ツールやシステムの導入が適しています。24時間稼働し続ける現場では、点検のために設備を止めること自体が困難なケースも珍しくありません。
絶縁監視装置や温度センサーなどをあらかじめ設置しておけば、人がいなくても常に状態を見守れます。装置が異常を察知した瞬間に警報で知らせてくれるため、重大な故障が起きる前に手を打てるようになるでしょう。
絶縁不良を早期発見する監視装置は「プロトラッド」にご相談ください

絶縁不良は、経年劣化や湿気、埃の付着など複数の要因が重なって発生します。
異常を放置すると、感電や火災といった重大な事故につながるおそれがあるため、定期的な測定に加えて、監視装置による早期発見が重要です。劣化箇所の適切な交換や使用環境の改善を行うことで、設備の安全性を維持し、人命や資産を守る管理体制を構築できます。
漏電対策として絶縁監視装置の導入を検討している場合は、株式会社プロトラッドへご相談ください。現場の状況に合わせた最適な監視体制を、専門スタッフが提案します。
