製品概要
本絶縁監視装置は、IEC 61557-8に準拠した非接地配線方式用の絶縁監視装置です。単相、3相、DC成分を含む交流、直流回路など殆どの回路に適用でき、交流回路の使用では、広く直流負荷を含むシステムにも適用できます(例えば、直流整流、インバーター、可変速ドライブなど)。
- 本装置は、コンバータやインバータを含む非接地配線方式の交流回路や非接地配線方式の直流回路に使用できます。
- 既設回路の漏れキャパシタンス値に自動対応できる調節機能
- Bender社特許AMP PLUS 測定方式や他の測定方式を選択できます。
- 2つ個別に設定できるアラーム接点1kΩ~10GΩ
- 高解像度グラフィック液晶ディスプレイ
- 接続状況の監視(計測ラインの監視)
- 自動自己診断機能
- 絶縁抵抗値を時間経過でグラフ表示(Isoグラフ機能)
- 履歴メモリー機能/実時間付(3日間保存)、1023個のアラームメッセージを発生日時付で保存
- 回路の測定絶縁抵抗値を、電流又は電圧出力表示0(4)…20mA、0…400μA、0…10V、2…10V (ガルバニック絶縁要)にて出力。
- 用途に応じて自由にカスタムできるデジタル入力と出力。
- インターネット又はイントラネット(ウェブサーバー/オプションCOMTRAXX® ゲートウェイ)を経由し遠隔設定可能(Bender社のサービスにより実現)RS-485/BS(Bender社測定バス)による他のBender社製品との通信
- インターネットを経由したワールドワイドな遠隔診断(Bender社のサービスによってのみ可能)
- BCOM、Modbus、TCP と ウェブサーバー
- isoData – 測定データの記録
- ISOsync – 複数の絶縁監視装置の同期
適用
- AC回路 DC回路、DC成分を含むAC回路
- DC機器が接続する交流回路(直流整流器(例えば、直流整流、インバーター、可変速ドライブなど)。
- UPS、バッテリー設備
- 位相制御のヒーター制御盤とヒーター設備
- 整流器を含む電源装置
- 高い漏れキャパシタンスを有している回路
- 多重電源など複数の電源が変化して接続される場合
主な機能と仕様
絶縁監視装置は、活線状態の非接地配線方式の回路の絶縁状態を常時監視し、設定されたアラーム動作設定値を下回った時、アラームを動作させます。正確な絶縁抵抗値を測定する為、絶縁抵抗監視装置は、監視しようとする非接地系回路と接地(PE)間に設置します。測定対象回路には、微小なマイクロアンペアレベルの電流が印加され、そしてマイクロプロセッサを搭載した測定機器により記録及び測定されます。その測定時間は、測定プロファイル、システム漏れキャパシタンス、絶縁抵抗値、そして回路に関係する外乱などにより決まります。
アラーム動作設定値や他の設定値は、設定用メニューのボタンと高解像度の液晶グラフィックディスプレイ装置を用いたウィザード機能により設定します。選択した設定は、フェイルセーフメモリー機能により保存します。異なる言語が設定メニューから選択でき、それはディプレイに表示されます。 このデバイスは、故障メッセージや故障履歴を発生した日時と共にヒストリーメモリーに保存するクロック機能を有しています。設定は、承認されていない変更を防ぐため、パスワードにより保護されます。
適切に絶縁監視装置を動作させるために、測定しようとする3相交流、交流若しくは直流回路には、適した端子への接続(L1/+, L2, L3/-)を行う必要があります。絶縁監視装置HR685W–x–I-B は、非接地系回路内の絶縁抵抗を高い信頼性と高い精度により測定することができます。さまざまな使用目的、回路の種類、動作条件、可変速ドライブへの適用、高いシステム漏れキャパシタンスの検知などに対応するため、使用する測定技術は、これらの測定要求を最適な応答時間と許容誤差内で実現できるものでなければなりません。 また、装置を最適に調整し、異なる測定方法の選択が行えるようにされています。
アラームが発生した場合、アラーム内容が保存されます。リセットする場合、表示されている絶縁抵抗値が実際のアラーム動作設定値の25%を超えている時にリセットボタンを押すことにより、絶縁不良アラームがリセットされます。さらに、測定値を更新している場合はディプレイ上に表示されます。誤った時の信号バー表示(1-2本)は、測定プロファイが誤ったものを選定されていることを示します。
絶縁監視装置は一つの系統に一つしか存在できません。この絶縁監視装置は、独立した内部動作スイッチを持っており、これは多重電源系統でブスタイで接続される場合などで、複数存在してしまう場合、絶縁監視装置を個別に作動させることを可能にしています。これを行う為に、絶縁監視装置は、イーサネットを経由して接続します。 統合したこのISOネットは、他の絶縁監視装置がある場合、系統から外され、スタンバイモードとなり、一つの絶縁監視装置だけが、その系統の全ての絶縁の監視を行います。 従って、絶縁監視装置はそれ自身で、他の絶縁監視装置と同期することができます。 これにより、互いに干渉することなく多重化電源など系統が切り替わる配線設備に使用できます。